寺田 奥村さんはYMO(のジャケットデザイン等)を、やられていましたよね?その奥村さんかぁと思って今日はすごく緊張しています(笑)。
奥村 いやいや、そんな。寺田さんは世代的に(YMOに)ハマった世代?
寺田 ええ。中学、高校くらいのときです。周りには完全に染まっちゃっている人がたくさんいました(笑)。
奥村 その頃から建築の方へ進もうと考えていたの?
寺田 ですね。高校くらいには、何か立体物をつくる仕事をしたいと思っていて、となると建築かなぁと漠然と。本格的に決めたのは大学受験の時。内田祥哉(ウチダヨシチカ)先生に憧れて、明治大学に決めました。
奥村 ところで、建築と内装、どのくらいの比率で仕事をしているんですか?
寺田 家具もやっているので、建築、インテリア、家具で、それぞれ1/3ずつくらいかな。今、座っていただいている一本脚のスツール「KOMA(HOKKA-IDO)」も、私がデザインしたものです。ロッキングチェアみたいに揺れるんですよ。
奥村 あ、本当だ。変化があって面白いですね。一本脚というのも画期的なんじゃないですか。
寺田 はい。ロンドンの100%DESIGNで展示したところ、面白がってもらえてドイツのメーカーさんから量産の話がきて。日本でも発売予定です。
奥村 ・・・ところで、今回は「ユナイテッド・シネマ前橋」について聞きに来たんだった(苦笑)。シネコンって独特だと思うのだけど、手がけたのは初めて?
寺田 初めてです。前橋も含めて、新しくできる3店舗を、3人のデザイナーでシリーズとしてやりたいというコンペで。各店舗それぞれ独立したイメージにしたいという意向でしたので、比較的自由に提案させていただきました。
奥村 カーペットや壁、オーナメントごとにパターンがありますよね?
寺田 はい。カーペットも床も壁も、全部のパターンをやりました。今回はいろいろな方に関わってもらおうと思って、2人のグラフィックデザイナーにも入ってもらって。
奥村 壁や天井のパターンは、カッティングシート? 反射して光っているけど。
寺田 はい。壁や天井をツヤ消しの塗装で仕上げて、シートに光を反射させたんです。壁のツヤを変えてみようと思って。
奥村 パターン、ずいぶんと大きいよね。
寺田 そうですね。ワイドが一個3m×5mくらいあります。これだけ大きいと作業が大変なので実は工務店さんには戸惑われて。でも、シートを貼る職人さんはむしろ図面を見て盛り上がってくれたんです。
奥村 なかなかやる機会のない作業ですものね。
寺田 ええ。あと、今回は壁を塗装して、そこに違った色の光を当てて空間をつくりたいという狙いもありました。壁を緑に塗って、そこにオレンジの光を当てると、補色関係になって不思議に見える。そこにパキッと模様があると、目の焦点を合わせる場所ができて面白いかなって。
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