
中川 いきなりですが、実は私、すごく感覚的に写真を撮っているので、インタビューが苦手で…。「WORKSHOP MU!!」*の作品を拝見したのですが、奥村さんは左脳も右脳もピリリと利いている方なので、ちゃんと受け答えできるか心配で…。 *70年代初頭、奥村氏が在籍した伝説的なデザイナー集団。
奥村 いえ、そんな。あれは30年前の話ですし(笑)。70年代は音楽の仕事がほとんどでしたけど、中川さんもデビューはミュージシャンのポートレイト?
中川 はい。ただ、もともとはミュージシャンを撮りたいとは特に考えてなかったんです。高校生時代から、絞りとかもよくわからないまま、とにかく周りの人の写真を撮りまくってて。その後、大学生の時にカルフォルニアに留学して写真の勉強をしました。
奥村 僕の世代では、今、ニューヨークにいる写真家、野上眞宏が「WORKSHOP
MU!!」当時に周りの人を撮りまくっていましたね。彼の場合、周りの人というのがミュージシャンだったわけだけど。
中川 私の場合、目の前にある人や物がいつかなくなってしまうのがイヤだったし怖かったんです。それまで、「なくす」という体験が少なかったせいもあるし、20代という若さもあったでしょうね。とにかく残しておきたくて、何かに憑かれたかのように撮りまくってました。
奥村 その頃の写真はきちんと整理している?
中川 ええ。昔の写真を見ると、その時の自分の気持ちや世界の見え方がよく出ているんですよね。今見ると、「そんなに切なくまとめなくていいよ」って自分に言ってあげたいくらい悲しい感じ(笑)。プリントも妙に青く焼いていたりして、ドラマチックにしてて(笑)。今、同じネガを焼き直すとしたら、全然違う写真になると思います。
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