奥村 照明といえば、「ドンファン」で使っている照明器具はオリジナル?
岩本 はい。5、6年前に商品化して市販されているものです。照明シリーズは、プリーツのものとか、クロスのものとか、だいたい10点くらい商品化してます。
奥村 ああ、そうなんですか。ごめんなさい、知らなかったもので。
岩本 「エンバディデザイン」では商業空間をやらせてもらっているのですが、それとは別に「感じて考えて創って伝える」デザイナーズメーカーとして、2004年に「レーベルクリエーターズ」という会社を立ち上げて活動をしているんです。
奥村 「レーベルクリエーターズ」では、どんなことをやっているんですか?
岩本 たとえば、メーカーさんと組んで、モノ作りにこだわるからこそ出てしまうゴミに息吹を与えるマテリノというプロジェクトをやっています。「一澤信三郎帆布」さんのところで余った布でペンケースを作って商品化したり、僕が家具を作るときに出た廃材を「白雪ふきん」さんのショップのインテリアに使ったり。マテリノとは別に、最近は「白雪ふきん」さんで「ハッピースカル」という柄のふきんを作りました。
奥村 (手に取って)おお、よく見るとスカルなんだね。ははは。面白い。ところで、今は大阪と東京に事務所がありますよね。お仕事される時に地域による違いって何かあります?
岩本 うーん、やはり東京の方がやりやすいのはありますね。大阪はどうしてもローカルで、ビジネスプランとして大きい話はあまりないので…。もちろん、東京でも大阪でも、海外でも、僕にしかできないプロジェクトがあればどこへでも行くつもりです。
奥村 ところで、早川良雄先生、田中一光先生、永井一正先生とかの、日本の(グラフィック)デザインを立ち上げた方はほとんど戦後、関西から東京に来られた方ですよね。
岩本 もしかしたら僕くらいの世代が、「海外に出るためにはまず東京だ」と思っている最後の世代かも。ただ、「レーベルクリエーターズ」のように、理念とか信念でできるモノ作りができてくれば、(やっている)場所は関係なくなってくる気はしています。
奥村 今はインターネットもありますしね。
岩本 ですね。たとえば、メールでのコミュニケーションも、内容をどう伝えるかは文章をどうデザインするかなわけですし。
奥村 最後に、岩本さんのモノ作りへのこだわりがあったら教えてもらいます?
岩本 素材や土地、事業の持つ「味」や「らしさ」、優れているところを引き出して、目指すべき目的を具現化することです。また、こだわりとは違うかもしれませんが、今は「レーベルクリエーターズ」で、自分でビジネスプランを立てて、モノ作りにこだわりのある人達と一緒に作っていくことが楽しい。マテリノのように、「モノ」を作るだけじゃなくて、廃材を使うといった目に見えない「コト」を作る。そこにもとても面白さを感じています。
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