
 (c)2007 蜷川組「さくらん」フィルム・コミッティ
公開表記:2007年2月24日 シネクイント ほか 全国ロードショー
配給:アスミック・エース
奥村 蜷川実花さんの初映画監督映画『さくらん』のセットにも東さんのフラワーアートが使われているんですよね。
東 そうなんですよ。約50パターンぐらいの作品を毎朝、毎朝作りに行きました。これこそ、色、活けこみ方には気をつかいましたよ。この舞台セット自体が、なんともいえない派手なピンク、赤、ブルー……を使っているしね。吉原の話なんですけど、着物の柄、色もなんともいえない独特の世界だったから。
奥村 蜷川さんの独特な色の世界だよね。
東 本当に。床の間も障子も畳も……。だから、その中で、花を生かすことを考えると、桜や紫陽花、薔薇、竹の発色も考えさせられたし、活けこみ方で絵じゃなくて“生物”なんだっていう魅せ方をしないとね。
奥村 この舞台セットと一体感もちゃんとあるし、しかも分かるよね、生物だって。
東 そうなんですよ。やっぱり生命があるものって、パッとしていますよね。人間が入ると、補佐的要素にまわるけど、いない空間では主役張っているというか。目が自然と花に行きますよね、不思議。
奥村 うん。花の可憐さとか、儚さとか、毒々しさとか……。人間と似ている部分を上手く表現できている。いいね〜。
東 嬉しいです、そういっていただくと。自分自身、泥臭い、毒々しい色にグッときたり、衝撃を受けたりするから。食虫蘭の人間の舌よりグロテスクな色なんか、ドキっとさせられますよ。狙っても、あんな色は作れないし、見せられない。
奥村 生きている物には敵わない。その通りだね。今やコンピューターでいろんな色を出せるけど、やっぱり“生命”があるモノって凄いよ。
東 花は1日に約10歳年をとるんですけど、死んでいくときこそ、綺麗なんです。本当に“生きているもの”こそ芸術だなぁと、強く思います。
 (画像をクリックすると拡大画像をご覧頂けます) shiki formula -New York-
奥村 そうか〜。ところで、東君はどうしてフラワーアーティストになろうと思ったの?
東 いや〜、中学生までは野球少年だったし、高校入ってからはバンド三昧の毎日だったから、花との接点はなかったんですよ。それが、ミュージシャンでプロデビューを目指して上京。バンド活動しながら、花の市場でバイトしていたんですね。そのときに、いろんな花を見たし、花の生死も知った。市場で働くことで、花を買っているだけでは分からないことを知れたし、感じ取れたんだと思うんですよ。
奥村 花の市場でバイトをね。でも、ミュージシャンとして一旗揚げたかったわけだよね。音楽と花って、何か共通点があったの?
東 あんまりつながりを意識したことはなかったけど……。言われてみれば、音楽も生物だと思っているから。そこは似ているのかもしれませんね。
奥村 音楽は? 続けないの?
東 最近、また始めたんですよ。花という枠だけじゃなくて、表現できればいいかな、と思っています。
奥村 話が色からそれちゃったけど、アトリエもショップも、そして今日の服も白が多いよね。
東 好きな色をあげろといわれたら、白。真っ白から始まる。どんな色より、柔軟で強い色だなぁと。やっぱり好きですね、白が。
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