CSデザイン賞も第15回を迎え、発足以来4半世紀を超えることになった。当初から審査に参加してきた私は、一入感無量である。中川社長が当時CSデザインの質を上げ街の環境・美観に貢献したいとの思いから勝見勝先生に相談されこのデザイン賞が発足した。中川社長のその思いは今や普及し、ビルや店舗・サイン・輸送機器等に多くのCSが使用され、そのデザインが重視されていることは明らかで、CSデザイン賞の内容も益々充実してきたように思う。
今回大賞の「イタリアンジェラート ロノ」は、ガラス面のCSが、美しくシンプルにデザインされており、その影も美しくCSデザインの原点ともいうべき正道であり、ゆるぎないデザイン力を感じさせてくれた。
装飾部門金賞の「She is like a rainbow/passeggiata」は落書きのようなイラストレーションに独自の味があり暖かい気持ちにさせてくれる。そしてガラス面や壁面のイラストレーションと、大きくとられた空白面との絶妙のバランスが美しい。
ガラス装飾部門金賞の「松永真のウェルネスデザイン」は、松永真の優れた造形感覚がそのまま美しい色彩と構成として個展会場のガラス面一杯に展開し目を楽しませてくれた。
サイン部門金賞の「日産自動車デザインセンター」は、その広い空間を巧みに誘導しながら、サインとして機能をはたし、清潔でダイナミックな展開がわくわくするような高揚感をもたらす。この部門、銀賞の「横須賀美術館」、そして銅賞の「乃村工藝社」と金・銀・銅の三賞を廣村正彰は一人じめにした。全く意識せずに選んだ結果であり、同一人のデザインと気づき審査会でも話題にのぼったが、明らかに優れたそれぞれであるためそのままにした。
審査員特別賞の「touch the COLOR」は、その構成・色彩感覚、そして機能を見事に備えたショールームであったが、中川ケミカルのものであったため、あえて本賞から外し特別賞にした。
こうして一通りの賞を通覧すると、あまり奇抜なものではなく、機能と美しさが調和し、街や建築になじみながら、美しい環境を形成し、CSデザインが日常に浸透した結果の積み重ねが、このような厚みを増してきたように思う。